最高裁判所第一小法廷 昭和61年(行ツ)15号 判決
京都市中京区木屋町三条下ル石屋町一二三番地
上告人
株式会社 三和書房
右代表者代表取締役
田中健次
東京都千代田区神田錦町三丁目三番地
被上告人
神田税務署長
櫻井博之
右指定代理人
中本尚
右当事者間の東京高等裁判所昭和五九年(行コ)第六四号源泉所得税納税告知処分等取消請求事件について、同裁判所が昭和六〇年一〇月二二日言い渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告人の上告理由について
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。また、記録によれば、原審の訴訟手続に違法はない。論旨は、ひっきよう、原審の専権に属する事実の認定を非難するか、又は原審の裁量に属する審理上の措置の不当をいうものにすぎず、採用することができない。
よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 大内恒夫 裁判官 谷口正孝 裁判官 角田禮次郎 裁判官 高島益郎)
(昭和六一年(行ツ)第一五号 上告人 株式会社三和書房)
上告人の上告理由
原判決には、東京神田税務署が行った東京都千代田区神田神保町一丁目二〇番地を納税地とする納税告知処分および不納付加算税の賦課決定処分は納税地の違法がある。
上告人は京都市中京区で図書、教科書の出版および販売の営業を行っている会社である。
上告人会社は昭和三四年頃から東京地方でも図書の販売を行う為、連絡場所として営業所を設置したが支店登記はされていない、単なる営業所である。
事務はすべて京都で行なっており、入金はすべて京都本社の口座に入金され、必要経費は京都から送金されていたが、これの手続を省略し、取引上、信用の為開設した東京支店名義の銀行口座の金員を便宜上使用しているにすぎず帳簿処理は仮払・仮受で行い、京都本社で処理されている。問題の源泉所得も又京都本社で預り金、未払金等勘定で処理をされている。
本件の源泉所得告知処分は、京都中京税務署が課税すべきであり又中京税務署に納税されたものもある。
上告人は控訴の時別紙の診断書の様に病い重く代理人とも話が出来ないまゝ一回の口頭弁論期日に出頭出来ないまゝ結審・判決となった。
以上いずれの点から見ても原判決は違法であるので破棄されるべきものである。
以上